隠されていたものの表出

1985年以来、道頓堀川に沈められその姿を見せることのなかったカーネル・サンダースが今日、発見された。

桜島も爆発し、これも85年にピークを迎えた活発な火山活動の再開を高らかに宣言するかのようだ。
そして、株価にいたっては85年を通り越し80年代前半あたりの水準をうろつく有様。
この暴力的とも言える80年代の再来は何を意味するのか?
そう言えば、昨日NHKポアンカレ予想とそれを証明したグリゴリー・ペレルマンの特集番組を見た。
その難解極まる証明は全く分からなかったが、非常に面白かったのはペレルマントポロジーではなく微分幾何学と物理学の手法を使って解いてみせたということだ。
その番組では、60年代半ばからトポロジーアメリカで「数学の王者」と呼ばれるようになったと言っていたが、その影響が20年後人文にまで及び、80年代にはトポロジカルな思想でシラケつつノリ、ノリつつシラケるみたいなことがブームになった。
壺の思想
しかし、あの変な管のついた壺談義というのは、青山二郎浅田彰小林秀雄柄谷行人という構造を成していたと思う、トポロジカルな意味で。
壺中居における青山と小林の壺談義の反復。
壺中居と言えば、先日のNHK白洲次郎のドラマで正子の買った紅志野香炉を青山が一喝する場面があったが、あれは本当は「何だこんなもの、夢二じゃないか」と言ったのだ。それでこそ青山じゃないかと思う。亀治朗のあれは芸術は爆発系のそれだ。
初音ミク?何だこんなもの、夢二じゃないか」
あの、夢二的なものの氾濫は一体何なのか?あれじゃ、夢二地獄だよ。
何の話しだったか?
そうだ、道頓堀川カーネル・サンダース
ああいうものを競売に出すべきだね。
差し押さえた木彫りの熊なんて、100円でも誰も買わないのだ。
あれが一つ家にあれば、9,800円の中国イームズしかなくてもNIGOに勝てるのは間違いない。杉本博司当麻寺の古材といい勝負だろう。
「プルーヴェのチェア?、頭がデカくて眼がちいせえなぁ!」とか言えるわけよ、NIGOに。